眼科
視機能 | 各種視機能検査、眼鏡・コンタクトレンズ処方 |
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外眼部 | 眼瞼、涙器の検査、処置や形成手術 |
前眼部 |
角結膜疾患の専門的診療 特殊レンズを含むコンタクトレンズ診療 |
水晶体 | 難症例を含む白内障手術、眼内レンズ2次移植 |
緑内障 | 視野検査、OCTなどの画像診断、薬物療法 |
網膜硝子体・ぶどう膜 |
各種網膜硝子体疾患に対するレーザー治療 小切開硝子体手術抗VEGF薬硝子体内注射、ステロイド投与などの薬物療法 |
神経眼科・眼窩 | 画像診断、電気生理学検査、ステロイド投与などの薬物療法 |
小児眼科 | 屈折矯正、弱視治療、斜視手術など |
人は外界からの情報の約80%を視覚から得ていると言われています。大切な視機能の健康を保ち、さらに視機能の質(QOV ; Quality of
Vision)を高めるため、当院眼科では、眼科医師(眼科専門医)と、視能訓練士(CO)や眼科コメディカル講習会を受講した看護師など専門性の高いスタッフが協力して、患者さんの診療にあたっています。
当科は兵庫県西部地区の中核医療機関として歴史もあり、多くの紹介患者さんを受け入れてきました。現在2名の常勤医師がそれぞれの専門分野を活かして眼科診療全般をひろくカバーするとともに、総合病院の利点を活かした入院治療、全身麻酔下手術や、他科との複合診療(乳幼児の診療や血液透析など)が可能で、充実した各種検査機器、手術機器を用いた高度な診療内容を提供しています。
屈折矯正、視機能検査には経験豊富な視能訓練士(→視能矯正課)があたっており、一般的な眼鏡やコンタクトレンズの処方以外に、複視のある方へのプリズム眼鏡処方や、老視への対応を考慮したコンタクトレンズ処方など、QOVを高める診療を提供しています。特に眼疾患がないにもかかわらず、眼精疲労のとれない方は、一度、ご自分の屈折矯正を見直すことをご検討ください。
外眼部疾患は、目が開きづらい、涙がでるなど、視力低下はなくとも不快な症状を伴うものが多く、生活の質(QOL)の低下をまねきます。当科では、眼瞼の形成手術をはじめ、患者さんの自覚症状を取り除く各種治療法を積極的に取り入れており、幅広い疾患に対応が可能です。
白内障手術(水晶体再建術)は眼科診療の中で最もポピュラーなものであり、当院の外科手術の中で最も件数が多い手術です。万全の体制で手術を受けたいという患者さんの要望に答え、当科では原則として入院管理下の白内障手術を行っております。入院期間は、片眼手術で通常は2泊3日になります。日帰り手術を含め、入院期間の短縮については、症例の条件にもよるため、外来受診時にご相談ください。症例数が豊富で、通常の白内障症例はもちろんのこと、小瞳孔や角膜混濁、角膜内皮減少のある症例、成熟白内障、さらには亜脱臼症例などの難症例に対する手術も多数手がけております。
緑内障は“超慢性疾患”といわれるほど、一生涯の管理が大切な疾患です。当科では、定期的な視野検査を行い、手術適応と判断した症例に対しては手術を勧めています。地域の医療機関の先生方とも積極的に連携しており、ふだんの眼圧測定や点眼薬処方はかかりつけ医でうけていただき、ゴールドマン視野検査など特殊な検査は病院でうけていただくなど、患者さんが無理なく受診を継続できる体制を整えています。
糖尿病網膜症や、網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性症など、近年増加している網膜疾患に対し、蛍光眼底造影検査(FA)や最新のSpectral Domain OCT(Heidelberg Spectralis)を用いた専門的な診療を行っています。糖尿病網膜症に対するレーザー治療や、加齢黄斑変性症や黄斑浮腫に対する抗VEGF薬硝子体内注射も随時対応可能です。原田病などぶどう膜疾患に対する入院加療も随時対応可能です。
小児期、特におおむね就学前の年齢は視覚の感受性期とよばれ、その後の一生の見え方を決めてしまう大切な時期にあたります。明石市では3歳6か月児健康診査に眼科医が出務し検診にあたることで、視機能の発達に影響をおよぼす屈折異常や眼位異常(斜視)を早期発見し、適切な診療に結びつける体制を整えています。当科では経験豊富な視能訓練士が専門性の高い視機能検査を行い、その結果をうけて医師が診療にあたっています。小児の視機能に配慮した屈折矯正、弱視治療、眼瞼内反症に対する手術などが対応可能です。
神経眼科領域、眼窩疾患領域では、視野検査や眼球運動の検査のみならず、3.0T MRIを用いて撮像し放射線科専門医、脳神経外科専門医が読影を行う画像診断、神経内科医の供観による全身検索など、総合病院の利点を活かした高度な診療の提供が可能です。視神経炎に対するステロイド治療などは、入院診療を基本としています。
受診される場合にお願いしたいこと
受付
問診・視力検査
診察
各種検査・散瞳
診察・説明・処置
主な診療機器
[外来・病棟診察室]→視能矯正課
細隙灯顕微鏡;スリットランプ SL 120(カールツアィス)
処置用顕微鏡;OPMI 99(カールツアィス)
屈折・角膜曲率・眼圧測定;TONOREFⅡ(ニデック)
レンズメーター;オートレンズメータ LM−1800PD(ニデック)
波面収差解析装置;OPD-Scan Ⅲ(ニデック)
角膜内皮細胞撮影装置;CEM-530 PARACENTRAL(ニデック)
光干渉式眼軸長測定装置;AL-Scan(ニデック)
角膜形状解析装置;PR-8000(サンコンタクトレンズ)
前眼部OCT;CASIA 2(トーメー)
超音波画像診断装置(US、UBM);UD-8000(トーメー)
大型弱視鏡;シノプトフォア(クレメントクラーク)
眼底三次元画像解析装置(SD-OCT);Spectralis Compact(ハイデルベルグ エンジニアリング)
散瞳・無散瞳眼底カメラ(カラー、FA、自発蛍光);CLARUS700(カールツアィス)
静的視野計;Humpfrey Visual Field Analyser(カールツアィス)
動的視野計;ゴールドマン型ペリメーター(タカギセイコー)
マルチカラーレーザー光凝固装置;Vision One(ルミナス)
YAGレーザ手術装置;YC−1800(ニデック)
ヘス チャート;エレクトリック ヘス スクリーンMKⅡ(ハーグストレイト)
[中央手術室]
手術顕微鏡;OPMI Lumera T(カールツアィス)
眼底観察システム;RESIGHT(カールツアィス)
白内障/硝子体手術装置;Fortas AP(ニデック)
眼科(網膜・硝子体/白内障)手術装置;コンステレーション ビジョンシステム(アルコンサージカル)
白内障
白内障 術前後写真
術前視力(0.01)
術後視力(0.8)
YAGレーザー写真
緑内障
HFAⅢ、ゴールドマン視野計写真
円錐角膜
ドライアイ
角膜炎・角膜潰瘍
角膜炎症例(角膜ヘルペスによる壊死性角膜炎)
糖尿病網膜症
加齢黄斑変性症
網膜静脈閉塞症
黄斑円孔・黄斑前膜
部位別手術件数 (主な術式) |
令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 |
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眼瞼・涙器 | 18 | 13 | 20 | 15 | 13 |
眼瞼内反症手術 | 3 | 9 | 5 | 0 | 1 |
眼瞼下垂症手術 | 8 | 0 | 7 | 11 | 10 |
眼瞼腫瘍切除 | 2 | 0 | 5 | 4 | 2 |
角膜・強膜 | 35 | 13 | 12 | 12 | 14 |
翼状片切除 | 14 | 6 | 8 | 6 | 9 |
緑内障 | 43 | 23 | 16 | 3 | 4 |
トラベクロトミー(LOT) | 18 | 8 | 8 | 3 | 4 |
水晶体 | 626 | 297 | 314 | 396 | 378 |
PEA+IOL | 610 | 290 | 303 | 372 | 354 |
毛様溝縫着/強膜内固定 | 10 | 3 | 4 | 5 | 5 |
網膜・硝子体 | 105 | 18 | 21 | 33 | 32 |
強膜バックリング | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 |
PPV | 98 | 17 | 19 | 26 | 28 |
斜視 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 |
その他 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 |
合計 | 827 | 366 | 385 | 461 | 442 |
初診患者さんの予約は、地域医療連携室までご連絡ください。月曜日から金曜日まで、全日予約枠を設けておりますが、医師の指定がある場合は、曜日が限られることがあります。
緊急入院や手術が必要と思われる場合は、眼科外来まで直接お電話ください。
ご紹介いただく患者さんには、紹介状とともにお薬手帳、血液検査などのデータを持参するよう、また、当日の患者さんの訴えによっては、散瞳する場合がありますので、自動車の運転はひかえるよう、あらかじめお伝えください。
予約診になっていても、かなりお待たせしてしまうことがあります。当日は時間の余裕をもって受診していただくよう、ご本人、ご家族にお伝えいただければ幸いです。
白内障手術は、片眼3泊4日の入院手術を基本としておりますが、日帰りを含む短期滞在手術にも対応いたします。手術を希望される患者さんがおられましたら、ご紹介よろしくお願いします。
視野検査や蛍光眼底造影検査など特殊検査だけしてほしい、眼内レンズの度数計算だけしてほしいなどのご要望にも、できるだけ対応させていただきます。お気軽にご相談ください。
スタッフ紹介
氏名 | 役職 | 専門分野 | 所属学会・資格など |
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西本 美智子 | 副医長 |
白内障手術 眼科一般 |
日本眼科学会(専門医) |
小幡 さつき | 副医長 |
白内障手術 眼科一般 |
日本眼科学会(専門医) |
曽田 里奈 | 副医長 |
白内障手術 眼科一般 |
日本眼科学会(専門医) |
辻村 まり | 非常勤医師 |
白内障手術 角膜疾患 |
医学博士 日本眼科学会(専門医) 日本角膜学会 日本緑内障学会 日本コンタクトレンズ学会 |
近藤 仁美 | 非常勤医師 | - | |
三木 明子 | 非常勤医師 | - |
外来担当一覧表
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | |
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1診 | 小幡 (午前) |
小幡 | 小幡 | 担当医 | 小幡 |
2診 | 曽田 (午前) |
曽田 (~午後3時15分) |
近藤 (午前/1・3・5週) |
- | 曽田 (~午後3時15分) |
3診 | - | 近藤 (午前) |
辻村 (2・4週目/円錐角膜外来) |
- | 近藤 (午前) |